腫瘍・しこり

わんちゃんやねこちゃんにとってもがんは死因として大きい割合を占めています。腫瘍ではないできものや、腫瘍でも良性と悪性のものに分かれていますが、早期発見と早期治療が重要です。外からはわかりづらい、お腹や胸の中などにできるものもありますので、病院での定期検査を心がけましょう。

しこりとは?

ペットのしこりとは?体の表面、口腔内、耳の中のできもの、かさぶたと出血を繰り返すなかなか治らない傷、できものや出血の大小で油断して放置しては危険です。実はこれらは腫瘍(がん)の可能性があります。

腫瘍の研究は日々進歩を遂げ、細胞検査で腫瘍が悪性か良性かも判別できるようになりましたが、実際に大きくなってから病院に行き、すでに手遅れな状態と診断されるケースが珍しくはありません。腫瘍が良性と判断された場合でも、温存できるものと手術が必要なものと様々です。

大切なペットの体にできものを発見したら、お早めにご相談ください。

しこり・がんの相談

よくある症状でもがんが潜んでいる場合があります。わんちゃんやねこちゃんの様子に少しでも違和感を覚えたら、些細なことでもお気軽にご相談ください。しこり・がんは早期発見が大切です。特に次のような症状が観察できたら、注意が必要です。

  • 食欲がない
  • よく吐く
  • 下痢や下血が続いている
  • 排便に時間がかかる
  • 血尿がある。少ない量での回数の多い排尿が続く
  • お腹が腫れている
  • 片足を引きずっている
  • 口臭やよだれがひどくなった
  • くしゃみ、鼻水、鼻血がよくでる
  • 咳、呼吸が荒いことが増えた
  • 皮膚炎や腫瘍が治らない
  • 急に脱力してへたり込むことがある
  • 過去にも腫瘍ができたことがある
  • 気になるしこりがある
  • 食事に時間がかかるようになった。食べこぼしが多くなった
  • 7歳以上である

がんは3大疾患の一つです

すべてのがんが死に直接つながるわけではなく、早期発見で完治する可能性も十分にあります。

飼い主さまであるご家族とペットが日頃からよくスキンシップをとり、体をよく触ってチェックしてあげることが早期発見につながります。また、外から触れられない胸の中やお腹の中のがんを早期に発見するには、レントゲン検査、超音波検査といった画像診断が有効です。がんの好発年齢とされる7歳を過ぎた中高齢期には、画像検査を組み合わせた検診をおすすめします。

当院のがん治療

当院のがん治療腫瘍(がん)の治療には、根治治療(完全に治すための治療)、緩和治療(完全には治せないが、普段と同じ生活をなるべく長い間送れるよう、腫瘍の不快感を取り除く治療)、対症療法(点滴などで少しでも痛みや苦痛を和らげてあげる治療)の3段階があります。

寿命が伸びたことなどの理由で、特に近年は腫瘍を患うわんちゃんやねこちゃんは増加傾向です。炎症や過形成などが原因の腫瘍以外の身体にできたしこりもあり、腫瘍か腫瘍以外のできものか、腫瘍なら悪性か良性か、正確な診断がまずは必要です。また、腫瘍を患うわんちゃんやねこちゃんは高齢な場合が多いこともあり、診断結果やその子の体調などに合わせた治療が大切になります。

一度、当院までご相談ください。わんちゃんやねこちゃんが飼い主さまとの日常の生活を少しでも長く送るために、なるべくご希望に沿えるよう頑張らせていただきます。

診察の流れ

① 問診

腫瘍の検査の参考にするため、いつからしこりがあるか、大きさは変わっているか、わんちゃんやねこちゃんが気にしている様子かといったことを飼い主さまにお聞きします。

② 腫瘍の検査

レントゲン検査大きさや硬さ、浸潤度合といった現在のしこりの状態を調べます。可能なら細い針で細胞を取り、顕微鏡でしこりの種類をおおまかに判定するほか、必要に応じて多めに組織を採取して、確定診断につなげるための病理検査も行います。

③ 転移の検査

転移の検査腫瘍の進行度を見極めるため、腫瘍がリンパ節や肺、お腹の中といった場所に転移していないかを検査する場合があります。

治療が必要な場合は、心臓の疾患や貧血といった治療に影響を及ぼす他の病気の有無を調べます。わんちゃんやねこちゃんの活動の様子や食欲なども踏まえながらどのレベルの治療まで可能か、最適な治療法を総合的に判断します。